Blu-rayオーディオ

私のオーディオアンプはソニーのMAP-S1でCDプレーヤを内蔵している。しかしSACDやBlu-rayは再生できない。SACDや欧州の安価なBlu-rayディスクも聞いてみたい。そこで手頃なユニバーサルプレーヤを探していたのだが、昨年夏にパイオニアのBDP-180を追加した。デノンのDBT-1713UDKという選択肢もあったが、開発時期が古いのと価格の点でBDP-180にした。

BDP-180S

オーディオ目的のBlu-rayディスクでも映像付きのものも有る。そのためTVにもつなぎたいが、TVのHDMI端子が1つしかなく、そこにHDD録画機をつないでいたので、iBUFFALOのHDMI切替器HEAC対応2ポートBSAK202というものも購入した。これでBlu-rayの音をアナログ音声2ch接続のMAP-S1で出し、HDMI接続のTVで演奏風景等を見ることができるようになった。この選択には満足している。

しかし、オーディオの環境・周辺状況に関しては不満や疑問を感じる点が2つある。

1つは、日本オーディオ協会がBlu-rayが一番良い媒体と推奨し、オーディオ・ホームシアター展でその宣伝を行っているのに、日本のオーディオメーカはそれを無視して、相変わらずオーディオ用としてBlu-rayプレーヤを準備せず、CDプレーヤを接続あるいは内蔵する機器を展示していてちぐはぐだという点である。
その状況が変わらないのはなぜなのだろう。Blu-rayは普及しないとみているからだろうか。

ヤマハは昨年秋BD-A1040というユニバーサルプレーヤを発売し、オーディオ・ホームシアター展にも展示していたのに、デモには使用しておらず積極的に売ろうとしていなかった。今見ると既に生産完了品になっている。
デノンはDBT-1713UDKなどのユニバーサルプレーヤを2012年に発売しているが、その後その後継機を出していない。
オーディオ各社とも、オーディオコンポの一つとしてBlu-rayオーディオを推進する気配がない。Blu-rayはカテゴリーがオーディオではなく、AV・ホームシアターになるため、オーディオコンポの対象外となって扱わないということなのかもしれない。古い縦割り行政のように既成の縄張り意識に縛られているためだとしたら残念なことだ。

ユニバーサルプレーヤとしてはOPPOが有名だが価格が高すぎる。私が求めているのは最高級オーディオではなく、BDP-180のような手ごろな価格でそこそこの性能のものである。
例えば、ソニーのBlu-rayプレーヤBDP-S6500はユニバーサルプレーヤである。パイオニアのBDP-180に比べると、DSDの最大が2.8MHz/1bitに対し5.6MHz/1bitでより高速まで対応していてすぐれている上、サイズが小形で好都合なのだが、自社のMAP-S1やオーディオコンポにつなぐことができないというお粗末さである。HDMI出力だけでアナログ音声出力がないためである。(余談になるが、HDMIオーディオ・スプリッターというものを追加してHDMIからアナログ音声を取り出せば使える。しかし、この追加アダプターの動作が信頼できない。マイコンソフト社が昨年のオーディオ・ホームシアター展にXDAC-1plusという試作機を展示していたが、未だに発売されていない。)パイオニアのホームオーディオを含むホームAV事業はオンキョーに譲渡されてしまったが、Blu-rayやスピーカは独自路線を保って欲しいものである。

TV録画用のBlu-rayレコーダとBlu-rayオーディオ用プレーヤを兼用にできれば音質はベストでないとしても無駄がなくなる。ソニーやパナソニックがRCAタイプのアナログ音声出力端子を録画機に付けてくれれば可能なのだが。

もう一つの不満はBlu-rayディスクの価格である。国内盤は欧州盤に比べて高すぎる。1枚3780円で演奏時間もCD並である。
欧州盤ならブラームス交響曲4曲(CD3枚分)が1枚のBlu-rayに入って4093円である。Blu-rayディスクを普及させたいなら、CDと余り変わらない価格に下げることが必要だろう。