iP4200の異常:紙の裏に黒い筋、その原因は

CanonのプリンタiP4200を2006年9月から使ってきました。紙送りのミスが一度もない、優秀なプリンタです。このクラスの安いプリンタで名刺サイズの小さい紙にも印刷できるものはもう販売されていません。

昨年末に 仕事で調査結果の資料を大量に印刷しました。ところが、このときの印刷中に時偶 紙の裏面のほぼ中央に5mmくらいの幅で黒い筋が生じるようになりました。
プリンタはインクが詰まるのを防ぐため、時々インクを排出する動作をします。どうやら、その廃インクが中央部に出てきて紙の裏面に着くようです。しかし、見える範囲でプリンタ内のスポンジ状シートに染みついているインクを 濡らしたティッシュペーパで拭き取っても直りません。
Web上でも同じ現象が報告されていますが、原因は今ひとつはっきりしません。

結局、新しいプリンタを購入したのですが、iP4200用の未使用インクが1セット以上残ってしまいました。
そこで、失敗覚悟でiP4200を分解し、黒い筋の原因を調べることにしました。
上部カバーを外してメカ部分を取り出す方法は、iP4200のサービスマニュアル(ここ)が見つかったので、大体分かりました。(背面と左右のスリットにドライバを差し込んで、爪を外します。)
しかし、上部カバーを外しただけでは原因が分からないので、次に、左奥の電源ユニットを外し、最後にメカ部を底面カバーに固定している4つのネジを取り、底のカバーも外してみました。(コイルバネが外れるので注意)

その結果、廃インクがプリンタ中央部の底面に捨てられていて、インクが堆積していることが分かりました。
底面内部の汚れ
プリンタの右端にあるインクを捨てるパッド部分からチューブが出ていて廃インクをプリンタ中央部に押し出して捨てるようになっていました。

インク排出用チューブ

排出部

中央の廃インク出口付近にドロッとしたインクが溜まり、盛り上がっていました。溜まっていた廃インクをティッシュペーパと古布で何度も拭き取って処置完了です。
いずれまた溜まってくるでしょうが、黒い筋が紙の裏に着く程になるまでには かなりの期間があるでしょう。

再組立の際 誤動作するトラブルがありましたが、これは左の方にあるエンコーダの円盤がインクで少し汚れたためでした。汚れをきれいにして回復しました。現在は完全に復旧しています。

廃インクを捨てる部分に 取り外しできるインク溜めの箱でもあれば完璧ですが、家庭用プリンタではそこまで使わないと判断していたのでしょう。