日本を変えた千の技術博

1月8日、上野の国立科学博物館の「日本を変えた千の技術博」に行った。興味深く面白かったが、あっけない感じもした。
入館したのが10時45分頃、午後は別の用があったので、全部見ないで出ることになるかと予想していたが、事前に思っていたより展示物が少なく、急いで回った結果1時間弱で終わった。
第1会場が終わって続きは第2会場となったのだが、第2会場の展示は未来予測だけですぐ公式ショップが現れた。どこか間違って途中を飛ばしてしまったのかと思った位だった。

古賀逸策氏のノートと本多光太郎氏のノートがあった。どちらも実に丁寧に綺麗に書いてあるのに感心した。
初代地球シミュレータの一部と実物のプロセッサがあった。私の茨城日電への2度目の出向中に工場内で作っていたものだ。(私の担当業務とは無関係)

ソニーの木原信敏氏が手作りの磁気テープ(紙テープベース)をどの様に作ったかをデモンストレーションする動画があり、これが一番面白かった。
茶色の蓚酸(しゅうさん)第二鉄の粉をフライパンで加熱して焼くことで、黒い酸化第二鉄に変換する。それを溶剤に溶いて筆で紙テープに塗り、6mm幅に切り揃え、録音・再生してみせるというもの。

日本初の録音機やエジソンが明治天皇に献上した蓄音機が展示されていたが、その脇に電池式の電気扇風機も展示されていた。宮内庁から下賜されたという以外余り共通性がないのに、なぜ一緒に置いてあるのか疑問を覚えた。この扇風機は製造年もメーカー名も不明である。

http://us-inventions.com/first-electric-fan.htmlによると、電気扇風機は1882年にSchuyler Wheelerが発明したそうである。エジソンの発明ではない。最初の扇風機は1886年に発売されたらしい。)

日本電機工業会のwebページhttps://www.jema-net.or.jp/Japanese/ha/senpu-ki/rekishi.htmlによると、
1893年 はじめての扇風機発売(アメリカのウェスティングハウス社製)
1894年 国産第1号扇風機発売。外国技術を導入し、国産第1号扇風機が誕生した。当時は直流エジソン電動機の頭部に白熱電球を 組み込んであった。電気がめずらしい時代で、スイッチ操作で扇風機が回り、同時に白熱電球がともった。

というのだが、前述の米国資料と照らし合わせると、芝浦製作所が国産1号を1894年に発売したこと以外はどこまで正しいのか怪しい。