NetCommonsユーザーカンファレンス2016
昨日、NetCommonsユーザーカンファレンスがあり、NC3(Ver.3)の情報を得る目的で今年も参加した。
午前中は、NC3の開発の狙いと主要モジュールのデモ。
午後はReading Skill Testの話。
開発者との懇談には参加せず。3時前に退散。
遅れていたNC3の開発だが、ついに8月31日にリリースするという。
以前cakePHPフレームワークを使うことは聴いていたが、WordPressのLightningテーマでも使用しているCSSのフレームワークであるBootstrapを使用しているという。
まだ日本語だけで、一部モジュールが未完とのことだが、まずはめでたい。
1年後の2017年夏にNC2からの移行ツールと、全モジュールリリース、多言語対応になるらしい。
リリース版を使ってみてもらい、バグレポートなどの報告に期待しているそうである。
順調なら来年夏には蔵前技術士会のホームページをNC2からNC3に移行させようと思う。
リーダーである社会共有知研究センター長の新井紀子さんは専門分野の未来予測に強烈な自信をもっているようで、AIが仕事を奪う時代の到来を誰よりも先に予測したと自慢。2010年の「コンピュータが仕事を奪う」でAIがホワイトカラーの仕事を奪うことを世界で初めて書いたという。
2年先にはWeb改ざん防止のためセキュリティホールがみつかればすぐに対応が必要となり、外部公開するすべてのサーバのソフトウェアは最新にしなければならないとIPA(情報処理推進機構)から強制されるようになると予測。
NC2は3500の機能を有し、ライブラリの大きな変更があった場合、動作確認に3ヶ月掛かるが、NC3は自動テストにより半日でできることをめざしている。
NC3は
- テストコードがついた本格派CMS
- 外部環境の変化に1日で対応できるCMS
- セキュリティチェックレポートを提供可能
NC2やWordPressやMoodleは2年後の環境でIPAの要求を満たせない。
公開サーバーが中小企業のレンタルサーバーを含むなら大変な事態である。
午後のReading Skill Testは中学生や高校生が教科書の文章の意味を正しく理解できているか、を調べるテスト。RSTのことは初耳。AIはどれも今のところ意味を理解していない。人は本当に理解しているのか気になったことがこのテストのきっかけという。教育関係者が今まで調べたことがなく、埼玉県でテストしてみると4人に1人は文章の意味を理解できていないことが判ったそうである。
生徒が教科書を理解していることが前提なのに、理解できない者がいることに驚き、教育の立て直しはその事実認識からスタートするべきとの話で、なるほどと思った。
ところが、これを家の奥さんに語ったら、反応が違ってまた驚かされた。
理解できない人がいることは以前から判っていた。これは驚きではない。
現場の教育関係者も判っていたはずで知らないはずがない。知らないのは直接現場を知らない人だとの認識。