MAP-S1のユーザーインターフェースは手抜き

2000年に買ったソニーのミニコンポはCD部のボタンのゴムが変質してべたつくようになっていたが、最近になってジョグダイヤルが反応しなくなった。そろそろ替え時と新機種の候補を探した結果、MAP-S1を選択した。

インターネットラジオ/radiko対応、CD再生対応、ハイレゾ対応で、できれば、FM/AMチューナー付きで、CD音源や圧縮音源はアップコンバートしてハイレゾの高解像度音源に近づける音質改善機能を持つものにしたいというのが条件だった。機種としてはネットワークCDプレーヤといわれる種類である。

ソニーのMAP-S1がすぐに候補に挙がり、それに対抗できるものを探したが、全部入りと評されるMAP-S1に匹敵するものは他社になかった。
マランツのM-CR610は魅力があったが、radikoに対応していなかった。
ONKYOのCR-N755は条件を満たすが、3段インバーテッドダーリントン回路搭載を自慢するなどちょっと古いイメージで余り魅力を感じなかった。
ヤマハのCRX-N560はradikoに対応していなかった。
JVCKENWOODは音質改善のK2テクノロジーに魅力を感じたが、EX-HR7はインターネットラジオに対応せず、EX-N70はCDを再生できなかった。
パナのSC-PMX9はインターネットラジオ非対応だった。
スピーカはコストパフォーマンスを考えて、パイオニアのS-CN301-LRにした。

購入してみてMAP-S1の音は確かによいと思った。ところがである。思わぬところでボロが出た。比較的大きなディスプレイ窓があるので、当然そこに曲名などが表示されると思っていたのだが、できないのである。
リモコンでは簡単な操作しかできず、スマホかタブレットを使うことが前提になっていた。PCによる操作も準備されていなかった。タブレットを持っていたから大きな支障はないが、これは想定外だった。

スマホから操作できるのはよいが、時代の流れとは言え、それしかできないようなものをオーディオの最新機種として売るとは信じ難いところである。
ソニーは他社にない全部入りの良い機種を発売した、これはソニー復活の表れではないかと思ったのだが、実はひどい手抜き装置でもあったのだ。

組み込みシステムのマンマシン・インターフェースはスマホで済ますことができる時代になり、個別に設計する必要が無くなったという話がトラ技やインターフェース誌に載っているのだが、一般向けオーディオ製品までがそれで済ます様になるとは思わなかった。

もう一点不満がある。
車のKENWOODのカーオーディオでは何ら問題なく表示されていたのだが、MP3で記録したCD-Rを再生すると、タブレット上でフォルダ名やファイル名が文字化けする。
原因はCD-Rの日本語フォルダ名や日本語ファイル名が読めないためらしい。最初は、MP3のID3タグの文字コード問題だと思ったのだが、そうではなく、ID3タグは読んでいないようである。これはちょっとお粗末ではないか。(追記:文字化けしたCD-RはISO9660 Joliet形式であることをNero infotoolで確認

昨年、BiBio JukeBoxに記録していたMP3ファイルをNASのNetGear ReadyNASDuoV2 2ベイに移し、DLNA経由で表示させたときやはり文字化けした。
これはMP3のID3タグにV1とV2があり、その文字コードの問題であった。
V1とV2が別の場所に記録されていて、V1をSJIS、V2をISO-8859-1でコーディングしていたのだが、NetGearの文字化けはV2の文字コードをUTF-16にすると直った。
NETGEARのNASは、米国製なので仕方ないとも思うが、日本のソニーが日本語ファイル名に対応できないようではみっともない。