NEC水冷パソコンの電源異常

2004年に購入したNECの水冷パソコンVALUESTAR G TYPE TZ(AMDのAthlon64)の電源がチリチリという音を出し、その音が最近ひどくなって来て我慢できないレベルになっていました。
最初は、HDDのベアリングが異常音を出しているのかと思いましたが、音は電源から出ていました。しかし、電源のファンではなさそうです。そのうち、AMラジオに大きなノイズが乗ることに気づきました。驚いたことに、2階のパソコンの近くのラジオでも、1階の少し離れた部屋のラジオでも同じようにノイズが乗ります。どうやら電源回路がラジオ周波数で寄生発振しているらしいと気づきました。
仕方がないので、修理に出そうかと考えましたが、電源修理は\33,600~¥36,750掛かるようです。更に調べると、保守部品の保存保証期間を過ぎています。多分まだあるでしょうが部品が無くても文句を言えない時期に入っています。
このPCはTVパソコンで、アナログチューナを内蔵しています。しかし来年7月でそれも使えなくなる、これは修理するよりPCを買い替える方がよいのではないかと迷いました。
ところが、我が家はケーブルTVのJ:COMを使っているのですが、1月のTV案内が届き、その中のビラに「2台目のアナログTVも4年後(2015年)まで使えます」と書いてあるのが目に入りました。何とJ:COMは国からの要請で、デジタルをアナログに変換してアナログ放送を継続してくれるのでした。
となるとTVパソコンは買い替えるより修理とする方がよいのです。6年前のPCとはいえ、クロックの低い省電力のCore2DuoノートPCよりきびきび動作するのです。
しかし、電源は水冷のため特殊です。150×140×125mmというサイズです。ATXは150×86×140です。そこでダメモトで電源の中身をATX電源と入れ替えてみることにしました。
元の電源はDelta製250Wで、12cmのファンが付いています。近くのPCデポで一番安かった玄人志向のKRPW-L400Wという400W電源を使いました。同サイズの大型ファンが付いています。400Wなので十分と思ったのですが、よく見ると5Vの最大電流が従来のものが20A、買ったものが16Aで少し不足でした。とはいえ負荷はかなり小さく余裕があるはずなので使用可能と見ました。
AC電源インレットは従来のものを使用し、ボードとファンを入れ替えました。AC入力フィルタのコンデンサがインレットに直付けでしたが、これはボード側に移しました。
ファンは従来品がケーブル3本で速度可変でした。従来は電源からFAN-C、FAN-M、GNDの3端子のコネクタが出ており、メインボードにつないでありましたが、今回の電源にはこのコネクタがありません。水冷独自信号かと思いましたが、ATX規格にオプションとして定義されていました。FAN-MはFANの回転をモニターするもので、変化しないとFANが回転していないことになります。このためFAN異常でエラーになるおそれがあります。しかし、実際はエラーにならず、無視されているようです。
FAN-Cはメインボードからファンの回転を制御するための信号でした。今回の電源はファンが定速回転なので、FAN-Cは使用しなくてOKです。この交換で問題なく動作しています。
電源のコンデンサが105℃タイプでなく、85℃だったことは残念ですが、後3年も保てばよいので、これでよしとしました。常にファンが回転しますが、下手に停止するより熱的に安全です。騒音は気にならないレベルです